こんにちは。
2020年のオリンピックまでもう1年を切りましたね。
チケットの追加抽選も発表され、さらなる盛り上がりを見せていますね。
今回はアンガーマネジメントファシリテーター™️である私が、そんなオリンピックには欠かすことのできない各スポーツのトップアスリート達にも注目されている、スポーツにおけるアンガーマネジメントの重要性についてお話しいたします。
アンガーマネジメントって?
アンガーマネジメントは怒りの感情と上手に付き合うために、アメリカで生まれた心理トレーニングです。怒らないことを目的とするのではなく、怒りによって後悔しないことを目標としています。怒るべきことは上手に怒れ、怒る必要のないことでは無駄に怒らなくて済むようになることによって、自分の感情をコントロールできるようになるだけでなく、より円滑な人間関係を構築するために必要とされるスキルです。
アメリカでは、当初犯罪者の矯正プログラムとして多く用いられていましたが、現代では一般化され、小学生の授業にも取り入れられています。
日本でも家庭など身近な環境をはじめ、教育現場、医療現場、各職場でのハラスメント研修など様々なシーンでそのスキルの重要性が注目されており、研修に導入する企業も近年増加しています。
スポーツにおけるアンガーマネジメント
アンガーマネジメントはスポーツ選手の間でも多く取り入れられています。
試合中に怒りをあらわにし、そこからプレーが崩れていく・・・そんなシーンを見たことはないですか?
個人でプレーする選手は常に自分のメンタルをコントロールすることができて初めてその力を発揮できます。また、チームプレーにおいて想像してみても、チーム内に一人イライラしている人がいるとその空気って伝染しませんか?その人の顔色を伺って自分の行動を抑制してしまったり、本人も独りよがりな行動に走ってチームワークを乱してしまったり、カッとなり些細なことで反則行為を犯してしまったり・・・
怒りや後悔は、時に大きなパワーや原動力となり、自分のモチベーションを上げてくれることもありますが、その逆も然り。怒りの感情を上手に扱うことが出来れば、その後のパフォーマンスを高めていくこともできるのです。
実際にアンガーマネジメントを取り入れているスポーツ選手
アメリカンフットボール(NFL)の選手達はアンガーマネジメントの講習を受講することが義務付けられているそうです。
また、若かりし頃はその気性の荒さも有名で、試合中によくラケットを叩きつけていたフェデラー選手もアンガーマネジメントを取り入れることによって世界一へと上り詰めたその一人です。
そして、今年世界ランク1位を成し遂げた(現在のランキングは変動しています)大坂なおみ選手も数々のインタビューでメンタルトレーニングを強化してきたと発言しています。
怒りのコントロールが出来ず試合に影響を及ぼした事例
サッカーW杯の決勝大会で、フランス代表のジダン選手が相手選手に頭突きをし退場になったシーンを覚えている方も多いのではないでしょうか?
この行為に至るにはそれ相応の理由があるでしょうし、彼も相手選手から挑発や侮辱行為があり、反射的に怒りをあらわにしてしまったと言っています。アンガーマネジメントでは決して怒ることが悪いことではないのですが、このW杯という舞台で、彼の役割は何だったのか。試合に勝つためにはどうすれば良いのか。と、そこに焦点を当てた場合には、この反則行為によって退場となり、司令塔を失ったフランスが敗北してしまったのは彼が怒りをコントロールできなかったことも大きな要因の一つと言えると思います。そして、その行為は批判され、彼の名誉にも影響を与えてしまいました。
先ほどご紹介した、フェデラー選手はかつて怒りに任せてプレーしていた時のことを振り返り、こう語っています。
「僕は凄く怒って、ラケットを投げたんだ。ミスを続ける自分にガッカリしていて、終わりのない上り坂のような状況でプレーしていたところ、やっと現れたチャンスさえも失って……。」
彼は怒りの感情を試合中に制御できないことがいかに悪影響だったか気付いたことによって、アンガーマネジメントを行うようになったそうです。
http://thomaszweifel.blogspot.jp/2010/06/roger-federer-and-anger-management.html
こどものアンガーネジメント
私はアンガーマネジメントを子供達に教えるトレーナーを養成する資格(日本アンガーマネジメント協会認定)キッズインストラクタートレーナー™️を保持しているのですが、受講しにきてくれた子供達や保護者の方々と触れ合う中で、幼少期からのアンガーマネジメントの重要性をとても感じています。
日本では怒りの感情はタブーのように扱われることも多く、子供達の中にはその感情に蓋をしてしまい怒りをうまく表現できない子が多いように見受けられます。でも、それは仕方のないことで私たちは怒りの感情の扱い方を習うチャンスがなかった為、適正に怒りのコントロール方法を教えてあげられる人が周りにいなかった為だと思います。
思う通りにならないと癇癪を起こしやすい子、親や教師の言動に我慢を繰り返し、自己表現が出来ずにイライラを溜め込んでしまう子、キレやすく人や物に当たってしまう子、タイプは様々ですが怒りとの向き合い方を知らないばっかりに、自分も周りも傷つけてしまうことがあります。
実際に講座を受講してくれた子供達の中にはスポーツを一生懸命取り組んでいる子が多いです。
最初は親に連れてこられた講座を受けることに不満しかない子供達も、日常生活での感情のコントロールはもちろんですが、“頑張っているスポーツのシーンでも役立つよ!身に付けることで自分の力が発揮しやすくなったらいいよね!”そう伝えてあげると、少しは“アンガーマネジメントって何だろう。やってみよう!”という前向きな気持ちに切り替えてくれました。
アンガーマネジメントはトレーニングすれば誰でも身に付けることが出来ます。故に幼いうちから自然に身につけられているか、少しでも知識を持ち合わせているかによって成長段階や社会に出た時に与える影響は大きいと思います。
実際にアンガーマネジメントをするには?
怒りをコントロールし上手に扱っていく為には、まず自分の中にある怒りの正体について知る必要があります。
- 自分の怒りの原因を知るーーーーどんな時に自分は怒りやすいのか記録して見ましょう。プチイライラから、爆発するような怒りまで書き出してみることで、大体自分が怒りやすいパターンが見えてきます。傾向を知ることで、次に自分が似た状況に置かれた際に、それはどの程度怒る必要があるのか冷静に判断することができ、怒りに任せて突発的に行動してしまうことを減らすことができます。
- 深呼吸しようーーーーテニスの大坂なおみ選手の試合中にこんな光景は見たことありませんか?大事な場面でのミスがあった際に「あーー!!!」と叫んだ後、自分を落ち着けるように胸をトントン叩いたり、大きく深呼吸をする。これはとても有効的なアンガーマネジメントのスキルの一つです。自分が怒っていると認識した上で、落ち着ける行動を取れるようになるかがキーとなります。
- 6秒数えようーーーーー怒りのピークは最初の6秒と言われています。ここを過ぎれば衝動的な行動をしづらくなります。意識を怒りから6秒逸らす為に、落ち着く呪文のようなものを考えておいて自分に言い聞かせるのも良いでしょう。「大丈夫、大丈夫。」や歌の一節など何でもいいです。自分だけの落ち着く魔法の言葉を探しておくといいですね。
これらは試合中だけならず、日常的にも合わせて行うことがより望ましいです。
お子さんでもできるトレーニング方法ですから、初めの怒りの正体を引き出す際は、絶対に否定せず共感しながら心の声を聞いてあげてください。こどもの場合は思い出して怒りがぶり返したり、悲しくなってしまったり感情を再度強く揺さぶってしまう可能性もあるので、無理のない範囲で行ってくださいね。
こちらの書籍も大変参考になりました。小学生くらいまでを対象に様々な事例を用いてアンガーマネントするコツが分かりやすく紹介されています。
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怒りは適切に扱えば最強のエネルギーになります。不毛な怒りで終わらせるのではなく、上手に扱ってメンタルコントロールし、自分をさらなる高みへと押し上げていきましょう。
幼いうちからの、アンガーマネジメント✖️スポーツで、最強の未来のオリンピック選手を育てていきたいですね!!
この記事は下記の文献を参考に制作しています。
https://www.angermanagement.co.jp/blog/blog_mailmag/1121
https://toyokeizai.net/articles/-/30970?page=5
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